こんにちは、おつげ女です。
その日は朝から社内の空気が重かった。
連休明けのせいかと思っていたら、理由があった。
退職者がでたのだ。
午前中、作業部屋の隣が騒がしかった。なにをしているのか気になりのぞくと、総務の人がロッカーを掃除していた。
なぜ、こんな時間に掃除しているのか聞くと、どうやら新しい人が入社するとのこと。
え?なぜ?と聞いたら、別部署のマルさんが退職したという。
え?なぜ?なぜ?なんなの?
マルさん、凄くできた人だったのに。なぜ?
理由はわからないと言われた。
でも、2週間前から、なぜかマルさんの様子が気になっていた。気になる理由と呼べる何かがあったわけじゃないけど、妙に気になっていた。
これか、と思った。
後から調べると、会社からマルさんの職種に求人がきていた。しかも求人の日付をみると2月前からあったようです。
夏前から退職は決まってたのかぁ。
そう思いながら、思いだしたことがあった。
マルさんが3カ月まえに、私に話したことを。
「おつげ女さん、この会社潰れますよ。」と言われたのだ。
私は、状況を知っているだけに、話しをはぐらかしたが、マルさんは真剣に「不味いですこの会社」と言った。「確信がある」と。
きっと私の知る確信とは違う確信だと感じたが、もはや廃業の結論からはかわらないわけで、あえて理由もきかなかった。
不味い理由。
それが今となっては何かはわからない。
ただ、マルさんが退職した日から経営陣がなにか違う。雰囲気が妙に優しくなった。
これが崩壊の3秒前なのか。
やだなぁ